前回投稿で、人が動くには
- 重力
- 地面半力
の2つが主に働くと書きました。
そして減速時における地面反力の活用に関して簡単にですが書きました。
今回はもう1つの力の重力に関してです。
重力
減速時に重力を活用しましょう、ということですが、簡単に言うと、
「身体を傾けていったときに倒れそうになる」
現象を活用しようよ、ということです。
まっすぐ直立した状態から、前方に身体を傾けてみましょう。
次に、同じ姿勢から後ろに身体を傾けてみましょう。
それぞれ、前方、後方に倒れそうになると思います。
こんなこと当たり前といえばそれまでですが、それを使ってみましょう。
後方への力を生み出す
減速するということは、現在進んでいる方向とは逆の方向へ力を加えなければならないということです。
ジャンプした時に、いつまでも上へ跳び続けず、一定の高さで落下してくるのは、重力が地面方向への力を加えているからです。
それと同様に前方に走っているところから減速したければ、後方への力を加える必要があります。
その後方への力の1つとなるのが、前回触れた地面反力です。
そしてもう1つが重力となります。
地面半力を得ることができても、下の図のように上半身が前方に倒れているような姿勢では、重力によって後方へ倒れようとする力(後方への力)を十分に活用することができません。
対して下の図のように、身体を後方に傾けることで、重力を効果的に活用することができます。
上の図では、筋力や接地の位置、タイミングなどを踏まえた地面反力に大きく依存する減速となるのに比べ、下の図ではそれに加えて重力を活用することができ、 より身体的な負荷を減少させることが可能です。
まとめ
バスケやアメフト、ラケット競技などの競技で見られる急減速では、1つ目の図のような地面半力に大きく依存するような減速を行う場面が多く見られます。
そしてそのスキルは、競技行うのにプラスに働くスキルと思われます。
その場合はその減速でも全く問題ありません。
しかし、
- 急減速ではない場合
- 減速ののちに相手の動きに対応しなければならない場合
- あらかじめ予想した状況で方向転換する場合 etc...
など多くのシチュエーションで、身体を傾けて減速する方が、より速く、より効率よく動くことが可能です。
重力を活用する、重心移動というと難しいスキルのように聞こえますが、まずはこんなシンプルなことから意識してみてください。