トレーニング論

指導者・コーチ向けフィジカル特化型マガジン "PITTOCK ROOM"

この度、指導者向けフィジカル特化型マガジン "PITTOCK ROOM" を開始しました。 noteで共同連載しており、僕の他に2名のフィジカルコーチ(@sunny_strengthと@ikusapo_pt。2名とも理学療法士免許あり)が執筆者です。

#57 主観的トレーニング強度はコーチと選手で一致しない?

トレーニング負荷をコントロールすることは、 トレーニングの質を高める 傷害予防 などの観点から必要です。 現在はGPSを使ったトレーニング負荷のコントロールやコンディショニングが発達してきていますし(ただこれは費用的な面で利用できるチームが限られ…

#49 ランニング時のハムストリングは遠心性収縮ではなく等尺性収縮?

ランニング時のハムストリングの働きは、遠心性収縮(エキセントリック)だとされていて、だからこそ肉離れの予防やパフォーマンス向上のために遠心性収縮でのトレーニングが必要だとされています。 しかしながら、遠心性ではなく等尺性収縮ではないか?という…

#46 トレーニング負荷で考えるべき外的負荷・内的負荷の違いとは?

前回導入として書きましたトレーニング負荷・強度・量・質に関してです。 #45 トレーニングの負荷と強度の違いを知ることはコンディショニングの基本となる。 - Matsu Sports Training 今回は、まずトレーニング負荷とはなんなのか、というところを簡単にま…

#45 トレーニングの負荷と強度の違いを知ることはコンディショニングの基本となる。

「今日の練習は負荷が高かった」 「今日の練習は強度が高かった」 これらは同じように聞こえて、本来全く違う現象を指している言葉です。 トレーニングによって身体に起こる変化の大きさをトレーニング負荷と言いますが、この一要因としてトレーニングの強度…

#36 「良い」トレーニング

トレーニングを行なっていく上で、それが競技専門的なトレーニングでもフィジカルトレーニングであっても「良いトレーニング」をしたいというのは誰しも考えることです。 「良いトレーニング」というと、とても曖昧でなんだかわからないような言葉になってし…

#35 ヒップヒンジによる股関節中心の動きはなんだかんだやっぱり重要だという話。

今回の内容も前回に引き続き「ヒップヒンジ」です。 ヒップヒンジとは、股関節を蝶番のように動かす動作です。 背筋を伸ばしたままお辞儀をするような動きをイメージしてもらえればいいかと思います。 このヒップヒンジは前回も書きました。

#34 アスリートが股関節と背中を使う感覚をつかむためにヒップヒンジ動作を導入する。

今回は,「ヒップヒンジ」を紹介したいと思います. 過去にこちらの記事で触れていますが、もっと基本的な「ヒップヒンジってなんぞや」というところに触れて行きたいと思います。 聴きなれない言葉かもしれませんが,非常に重要な動作です. *この記事は過…

#32 アジリティ・スピードトレーニングのつもりが持久系トレーニングになってしまう?

50mの距離を走るとします。 仮に、全部で6本、全ての本数を最大努力で走るとすると、この時のトレーニングは、50m × 6本のスプリントトレーニングといえます。 では、このトレーニングプログラムの目的は、持久力の向上でしょうか? それとも最大スピードの…

#29 片脚のトレーニングと両脚のトレーニングをウェイトトレーニングで考えてみる。

トレーニングを行うときの姿勢として,仰向け(仰臥位),うつ伏せ(伏臥位),横向き(側臥位),四つ這い,座位,膝立ち位,立位などがあります. これらの姿勢は,トレーニングの目的や段階によって使い分けます. その選手の能力,課題にトレーニング種…

#28 サッカー選手、懸垂で広背筋を鍛えよう。

単純な筋力がそのままスポーツパフォーマンスに直結するとは限りません。 また、筋力の与える影響度合いも競技によって異なり、同い球技でも、アメリカンフットボールやラグビーのような競技とサッカーやバスケットボールを比較した時は、前者の方がより筋力…

#27 パワートレーニングで「力」を重視するか「速度」を重視するか。

前回、パワーに関連する記事として、 RFD(Force of deveropment)に関する記事を書きました↓ #26 一瞬のスピード、パワーを身に付けたいなら筋力だけじゃなくRFD(Rate of Force Development:力の立ち上がり率)も考えよう。 - Matsu Training Blog この記事の…

#26 一瞬のスピード、パワーを身に付けたいなら筋力だけじゃなくRFD(Rate of Force Development:力の立ち上がり率)も考えよう。

レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)を行う目的として、筋力の向上が挙げられます。 その方法はアスリートかそうでないか、また競技種目など様々な要因によって変わります。 自重で行うのか、ダンベルやバーベルをなどのウェイトを利用するのか、マ…

#25 チームのウォーミングアップに必ず「フリーアップ」の時間を3分間入れる理由。

チームの練習が始まる前に、全体でウォーミングアップを行うチームは多いと思います。 典型的な日本のサッカーチームのウォーミングアップは、チーム全員でグランドを数周走ってから、ストレッチを行う、あるいはブラジル体操を行う、といった感じだと思われ…

#13 日本トレーニング科学会大会で感じたトレーニング指導に必要な能力。

先日、日体大世田谷キャンパスで行われた日本トレーニング科学会大会に行ってきました。 友人に誘ってもらったのがきっかけです。 大学の卒業論文のポスター発表で、日本コーチング学会には参加したことがあったのですが、個人的に学会に行くのは初めてでし…

#9 ヒップヒンジはあくまでトレーニングのための動作であり、競技スキルではない。

ヒップヒンジには、股関節を蝶番(ヒンジ)のように動かす動作です。 詳しくは、この記事やこの記事をみてみてください。 これらの記事で「ヒップヒンジは重要だ」と書いています。 これらの記事は閲覧数の多い記事であり、興味を持つ人が多いのかなと感じて…

#8 瞬間的なパワーの向上のために知っておきたいストレッチ・ショートニング・サイクルとプライオメトリクストレーニング。

人が運動する際、ほぼ全ての運動でストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC:Stretch shortening Cycle)という仕組みが働き、 この仕組みにより、人は効率よく大きな力を発揮することができます。 この仕組みを用いたトレーニング方法がプライオメトリク…

#6 競技力向上のための課題を可能な限り言語化することの重要性。

最近、筋力トレーニングに対する関心が高まってきています。 SNSが発達したことで、個人で商法発信する人が増えたこと、いわきFCなど独自性を持ったチームが一つの結果を示したことなど、様々な要因がありますが、一種の筋トレブームと言ってもいい状況です。…

#3 サッカーのピリオダイゼーションを現場で活用する。

最近「サッカーのピリオダイゼーション」に関して興味が高まりつつあるように感じます。 これに関しては、移転前ののブログでまとめました。 サッカーのピリオダイゼーションを実践する現場で活動して感じること。-レイモンド・フェルハイエン氏のコンディシ…

#1 サッカー選手の「素早い反応」を認知能力から考えてみると?

「素早い反応」は選手・指導者ともに求めるものです。 反射神経がいい、俊敏性がある、読みがいい etc... といった表現はよく耳にします。 そして、その能力を向上させるために、テニスボールが落ちる前に素早く拾うトレーニングや、音に反応して瞬時に動き…