#41 ルーマニアンデッドリフトでサッカー選手のハムストリングを補強する。

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今回は、ルーマニアンデッドリフトと呼ばれるエクササイズに関してです。

選手に指導する際は、ほぼ必ずといっていいほど導入しています。

 

 

ルーマニアンデッドリフトとハムストリング

ルーマニアンデッドリフトは、通常のデッドリフトよりも股関節の動きを強調させたエクササイズです。

 

ルーマニアンデッドリフト↓

 

ちなみにデッドリフトというエクササイズはこんな感じです↓

 

ルーマニアンデッドリフトでは、特にハムストリングに負荷をかけることができます。

 

ハムストリングは、大腿二頭筋長頭、大腿二頭筋短頭、半腱様筋、半膜様筋からなります。

このうち大腿二頭筋短頭以外の3種の筋は、股関節と膝関節をまたぐ二関節筋のため、スクワットや通常のデッドリフトでは、十分に負荷を加えるとが難しいです(膝も股関節も曲がってしまい、ハムストリングが十分に伸張されないため)。

 

その点、ルーマニアンデッドリフトは、膝関節をほとんど曲げずに行うためハムストリングを可動域全体にわたって伸張させ、負荷をかけることができます。

この利点は大きく、伸張された位置でのハムストリングの筋発揮も補強することができますし、柔軟性の向上も期待できます。

 

股関節運動中心のエクササイズ

上記Tweetでも触れていますが、サッカー選手が行うハムストリングの補強トレーニングは、ノルディックハムストリングやレッグカールなど、膝関節の運動が主となりハムストリングを活動させるものが多いです。

 

ノルディックハムストリングは、FIFA11+にも含まれ、またハムストリングの肉離れ予防の効果が高いであろうことも報告されています。

 

 

実際、自分が指導する際の傷害予防のプログラムにはノルディックハムを導入していますし、その効果も感じています。

しかし、先に書いたように、ノルディックハムストリングは膝関節の運動が主となります。

ハムストリングの活動が膝関節屈曲か股関節伸展かで異なる可能性があることやスポーツにおいて股関節の伸展が重要な動きであることを考えると、股関節伸展でのハムストリングのエクササイズも積極的に行いたいです。

 

股関節伸展でハムストリングを強化するエクササイズは、ハムストリングが二関節筋であることもあって、それほど多くありません(ケーブルや背筋台を使うことで行うものが多い)。

エキセントリックの負荷がかけられ、CKCで行え、漸進的な負荷の増大が可能である、という特徴を持った股関節伸展でのハムストリング強化エクササイズと考えると、優先度は非常に高くなると考えています。

 

実施するときのポイント

実施する際のポイントとして

  • 膝を軽く曲げて固定する
  • 背すじを伸ばしたまま、お尻を後ろにある壁に押し付けるイメージで動かす
  • バーが体から離れないようにする
  • 肩甲骨を寄せてキープする
  • 腹圧を高める(これがでいないと腰を痛める可能性があります)

などが挙げられます。

 

最初の4つのいずれかにエラーが出ると、ハムストリングが伸張される感覚を得ずらく、腰に大きな負担を感じることになります。

 

また、上4つは意識できていても、5つ目の「腹圧を高める」が不十分である選手も多いです。

これはどのウェイトトレーニングでも共通だと思いますが、腹圧が高まっていない状態で行うと、体幹の安定性を背筋による安定性や、脊柱や靭帯等による安定性に頼る部分が大きくなり、腰に違和感を感じる場合があります。

さらには、大きな力が出せません。

 

ここは忘れられがちなので意識したいところです。

 

加えて、よくあるエラーとして

  • 背中が曲がっていく
  • バーベルを下ろすに従って膝も曲がっていってしまう

があげられます。

 

2つ目の「バーベルを下ろすに従って膝も曲がっていってしまう」ですが、仮に行うエクササイズが通常のデッドリフトであったり、あるいは何か特別な狙いがある場合にはそれでも問題ないと思います。

 

しかし、目的が、ハムストリングの筋力向上や、柔軟性向上、伸張された位置での筋発揮等であれば、膝は出来るだけ固定して行うのがよいと考えています。

 

まとめ

ルーマニアンデッドリフトは、おそらくトレーナーやトレーニングコーチの間では有名なエクササイズですが、アスリートの間で(特にサッカー選手、もちろんそれ以外もですが)周知されているかというと、それほどでもないと感じています。

 

コツを掴めばすぐにできるようになると思いますので、ぜひ取り組んでみてください。