FIFA11+を知っているでしょうか?
サッカー選手を対象にした傷害予防プログラムです。
せっかく一つの形としてまとめられているのに、いまいち知名度が低い気がするので簡単に紹介してみます。
FIFA11+
FIFA11+は、サッカー選手の傷害予防を目的に作成されたエクササイズプログラムです。
もともとはFIFA11という形でしたが、改良され今の11+になったようです。
そんなFIFA11+は、Part1, Part2, Part3の3パートで構成されています。
- Part1:ランニングエクササイズ(6種目・8分)
- Part2:筋力・プライオメトリクス・バランス(6種目・10分)
- Part3:ランニングエクササイズ(3種目・2分)
という内訳で、トータル15種目を約20分で行うことができるようになっています。
また、Part2の「筋力・プライオメトリクス・バランス」はレベル別に3段階用意されていて、段階に合わせて選択できるようになっています。
具体的なエクササイズは、JFAのHPでPDFを配布しているので確認することができます。
youtubeには、動画形式で投稿されているので、映像で見たい人はどうぞ。
(以下の動画はデモンストレーションががいまいちですが、流れはわかりやすいと思うので貼っておきます。。。)
どれくらい効果がある?
このFIFA11+ですが、
「傷害発生を60%ほどに減少させることができる」
とするシステマティックレビューがあります。
プログラム自体は簡単なもので、誰でもできることを考えると効果的なのかなとは思います。
60%という数値に関してどうとらえるかはそれぞれだと思いますが、
「筋力トレーニングを行うことで傷害発生を1/3以下に減少させることができる」
といった別の研究がある上で考えると、数値としては何とも言えない気がします。
(もちろん条件が違うので単純に比較はできません。)
しかし、
- グランドで行えること。
- 用具を必要としないこと。
- どの年代(小学校・中学校でも)でも行えること。
- 運動の強度、難易度が低く誰でもいつでも行えること。
などを考慮すると、ウォーミングアップとして行うことで効果的に活用できるのではないかなと思います。
デメリットとしては
- このままだと運動強度が低すぎてパフォーマンス向上に繋がるかは微妙で、傷害予防の効果しか期待できないかもしれない。
- 惰性で行う可能性が高い。
- 段階的なステップアップをどうする?
なんてことが考えられるんじゃないかなとは思います。
とはいっても、FIFA11+の一番の良い点は、
複数の予防エクササイズがまとめられ体系化されていること
だと思います。
それぞれのエクササイズは基本的なものでありますが、それがFIFA11+として一つの形になっていることで、指導者やトレーナーは、これをベースに様々な工夫ができるのではないでしょうか。
これらのエクササイズを行うことが目的ではないので、これを基準にして設定やエクササイズの種類を変更することは何の問題もないでしょうし、工夫次第では、技術戦術トレーニングと合わせて行うこともできそうです。
指導者、トレーナーの工夫次第ですね。
まとめ
今回はFIFA11∔に関してでした。
「練習前のアップは、グランドを2周走ってからストレッチ」
なんてチームは日本中にいくらでもあると思います。
まずはJFAも公開してくれているFIFA11+をやってみて、それから各々の色を付けくわえていく、なんてのもいいんじゃないでしょうか。
なんにせよ、「傷害予防」に取り組むことはアスリートとして必須条件であると思いますし、「怪我をしない選手はいい選手」とも言われたりしますので、FIFA11+でなくとも、何らかの効果的な傷害予防プログラムはやるべきでしょう。
*2018.9.18 追記
FIFA11+には内転筋の予防エクササイズが入っていないんですよね。
参考
どちらも全文無料でダウンロードできます。