#39 アスリートのコンディショニングを学ぶのにおすすめの本を3冊紹介する。「ピーキングのためのテーパリング」他

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「コンディショニング」は、日本語では「調整」と訳されることが多く、それだと何かを「向上させる」というニュアンスを感じ取りづらいです。

 

例えばNSCAでは、コンディショニングを以下のように定義しています、

コンディショニング(Conditioning)とは、スポーツパフォーマンスを最大限に高めるために、筋力やパワーを向上させつつ、柔軟性、全身持久力など競技パフォーマンスに関連するすべての要素をトレーニングし、身体的な準備を整えることです。また、一般の人々にとっては、快適な日常生活を送るために、筋力や柔軟性、全身持久力をはじめとする種々の体力要素を総合的に調整することです。 引用

https://www.nsca-japan.or.jp/01_intro/sandc.html

 

今回は、トレーニングを含めてコンディショニングであるという認識のもと、アスリートのコンディショニングを学ぶためにオススメの本を3冊選んでみました。

 

 

ピーキングのためのテーパリング 狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために

ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−

ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−

  • 作者: 河森直紀
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2018/02/20
  • メディア: 単行本
 

コンディショニングというと、サッカーでは、サッカーのピリオダイゼーションが有名です。

サッカーのピリオダイゼーションも、サッカーのトレーニングの中で1シーズン通してピーキングとテーパリングを行っていくこと、について記された書籍です。

 

今回の「ピーキングのためのテーパリング 狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために」は、ピーキングとテーパリングの違い*を説明した上で、実際にどのように計画を立ててコンディショニングを行っていくかということが科学的知見を用いてわかりやすく述べられています。

*(ピーキングは、「狙った試合でベストコンディションで臨めるようにコンディションをあげ、ピークを合わせること」テーパリングは、「ピーキングの一つの手段として徐々にトレーニング負荷を減らしていくこと」)

 

  • どんな状況だとテーパリングが失敗してしまうのか。
  • トレーニング負荷を減らすとはどういうことか。
  • シーズンスポーツ(サッカーなど)の場合はどうしたら良いか。

 

などをはじめ、具体例をあげながら記されているため非常にわかりやすい構成がなされています。

コンディショニングに関わる人は必読の一冊だと思います。

 

ちなみに著者の河森さんは、S&Cコーチであり、SNSやブログで非常に勉強になる情報を発信してくださっています。

この記事を読んでくださっている方は絶対にためになると思いますので、ぜひ本と合わせてブログも読んでみてください。

S&Cつれづれ | アスリートが勝つためのトレーニング(=S&C、ストレングス&コンディショニング)について書いています。

  

リカバリーの科学 スポーツパフォーマンス向上のための最新情報

リカバリーの科学 ─スポーツパフォーマンス向上のための最新情報─

リカバリーの科学 ─スポーツパフォーマンス向上のための最新情報─

  • 作者: Christophe Hausswirth,Iñigo Mujika,長谷川博,山本利春,桜井智野風,中村大輔,田中美吏,山口太一,安松幹展,鬼塚純玲,依田珠江,笠原政志,太田千尋
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2014/09/15
  • メディア: 単行本
 

トレーニングを行うと身体に過負荷がかかることになります。

アスリートはその中で週に5、6日のトレーニングや試合を行うわけなので、必然的にリカバリー(回復)が重要となります。

 

リカバリーが適切でなければ、トレーニングを過度な疲労状態で行わなければならない、日を追うごとにコンディションが低下していくなどのトレーニングのマイナス面ばかりが現れてしまう可能性もあるわけです。

 

そこで本書の出番です。

  • リカバリーってどんな方法があるの?
  • よく言われているこのリカバリー方法って意味あるの?

をはじめとしたリカバリーに関する情報が豊富に記されています。

 

注意点は、本のタイトルに「最新情報」と入っていますが、本書の出版が2014年であること、また訳本ですので、元の本が出版されたのはさらに数年前だと思われることです。

そのため、「現時点での最新」と捉えるのは少々危険です。

しかし、それを差し引いても十分な内容となっていますので、おすすめします。

 

ちなみにこの「科学」系の本は他にこんなものも出版されています。

こちらもトレーニング関連の本としておすすめです。

 

ハイパフォーマンスの科学−トップアスリートをめざすトレーニングガイド−

ハイパフォーマンスの科学−トップアスリートをめざすトレーニングガイド−

  • 作者: 野坂和則,沼澤秀雄,David Joyce,Daniel Lewindon,小林敬和,今西平,杉浦雄策,塩田徹,友岡和彦,岡田純一,豊田裕浩,桜井智野風,長谷川博,中村大輔,安松幹展
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2016/10/27
  • メディア: 単行本
 
エンデュランストレーニングの科学 −持久力向上のための理論と実践−

エンデュランストレーニングの科学 −持久力向上のための理論と実践−

  • 作者: Iñigo Mujika,長谷川博,中村大輔,安松幹展,桜井智野風,久保啓太郎,禰屋光,伊藤静夫,相澤勝治,鬼塚純玲,田中美吏,安藤創一,加藤晴康
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2015/08/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

乳酸を活かしたスポーツトレーニング

新版 乳酸を活かしたスポーツトレーニング (KSスポーツ医科学書)

新版 乳酸を活かしたスポーツトレーニング (KSスポーツ医科学書)

  • 作者: 八田秀雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/07/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

乳酸といえば東京大学教授の八田先生の本でしょう。

 

乳酸は疲労物質ではなくエネルギー源だ、ということは今や広く知られていることではありますが、実際どういうことだ?という疑問を持つ人は多いと思いますし、そもそも乳酸は疲労物質だという考えしかもていない人もいるかと思います。

 

最初の2つの本とは少し毛色が変わりますが、コンディショニングには多くの競技で高強度運動が伴うことを考えると、乳酸に対する認識を深めていくことは必要なことだと考えセレクトしました。

 

  • 乳酸がどんな時に産生され、どんな時に利用されるのか。
  • スポーツトレーニングと繋げるにはどうしたら良いのか。 

などを学ぶことができると思います。

 

八田先生の乳酸に関する書籍はたくさん出ていますので興味のあるひとはこの本以外も読んでみてください。 

個人的には乳酸を活かしたスポーツトレーニングが一番読みやすかったと思いますが。 

乳酸をどう活かすか

乳酸をどう活かすか

  • 作者: 八田秀雄
  • 出版社/メーカー: 杏林書院
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 単行本
  • クリック: 13回
 
乳酸をどう活かすか 2

乳酸をどう活かすか 2

  • 作者: 八田秀雄
  • 出版社/メーカー: 杏林書院
  • 発売日: 2016/03
  • メディア: 単行本
 

 

まとめ 

以上3冊を紹介しました。

 

この中でも最初に紹介した

「ピーキングのためのテーパリング 狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために」は個人・チームのコンディショニングに関わる方は必読だと思います。 

ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−

ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−

  • 作者: 河森直紀
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2018/02/20
  • メディア: 単行本
 

もちろん他にもたくさんいい本はありますし、情報源は本だけではないと思いますので、他にもいい本や論文、ブログ等知っている方いましたら教えていただけると嬉しいです。

 

リカバリーの科学 ─スポーツパフォーマンス向上のための最新情報─

リカバリーの科学 ─スポーツパフォーマンス向上のための最新情報─

  • 作者: Christophe Hausswirth,Iñigo Mujika,長谷川博,山本利春,桜井智野風,中村大輔,田中美吏,山口太一,安松幹展,鬼塚純玲,依田珠江,笠原政志,太田千尋
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2014/09/15
  • メディア: 単行本
 
新版 乳酸を活かしたスポーツトレーニング (KSスポーツ医科学書)

新版 乳酸を活かしたスポーツトレーニング (KSスポーツ医科学書)