Sports Training Room

筑波大学体育専門学群・蹴球部→東京学芸大学蹴球部でトレーナー。現在は理学療法士免許取得のため勉強中。

#61 ハムストリングの肉離れの予防と傷害の発生〜2件の事例から考える〜

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肉離れの予防は多くのチームでの課題だと思われます。

サッカーでよく起きるのはハムストリングや内転筋の肉離れです。 

 

一度ハムストリングの肉離れをしてしまうと復帰まで3週〜8週程度かかってしまいます。

 

僕が所属するチームは関東大学サッカーリーグに所属しているのですが、このリーグは、前期11節、後期11節をの全22節です。

そう考えると仮に8週の離脱を強いられることは、リーグのほぼ半分に出場できないことになってしまいます。

 

それは、選手の立場からもチームの立場からも避けたい事態です。

 

また、肉離れの既往があることで、今後肉離れが発生するリスクも高まるので、そう言った意味でも予防が重要となります。

 

今シーズンの所属チームのTOPチームでは、ハムストリングの肉離れに限っては、2件発生しました。

 

これを多いと捉えるか、少ないと捉えるかは別として、どちらも防げる可能性が高かったと思われる事例でした。 

 

 

肉離れの予防のために行っていたこと

サッカーで起きる傷害は

  • 打撲(筋挫傷など)
  • 捻挫
  • 肉離れ

で半分以上を占めているとされています。

 

その中で、肉離れの予防、特にハムストリングの肉離れの予防に関して、

 

  • 練習冒頭のw-upでのハムストリングの予防エクササイズ(エクセントリック&アイソメトリック*1の筋収縮で)
  • その他w-upの工夫
  • 違和感を感じた選手へのトレーニング負荷コントロール
  • ウェイトトレーニング(特にルーマニアンデッドリフト*2は積極的に)
  • 継続的ショートスプリントトレーニング  etc...

*1 アイソメトリックに関してはこの記事↓の可能性と、筋肉痛などの要因を考慮して導入)

#49 ランニング時のハムストリングは遠心性収縮ではなく等尺性収縮? - Matsu Sports Training

*2 ルーマニアンデッドリフトに関してはこちら↓ 

#41 ルーマニアンデッドリフトでサッカー選手のハムストリングを補強する。 - Matsu Sports Training

 

 

細かいのを上げればもっとありますが、大まかにはこんな感じの取り組みをしていました。

 

ハムストリングの肉離れの予防は、2シーズン前に僕が大学4年で学生トレーナーのヘッドを務めていたときから意識していますが、予防できる可能性がかなり高い傷害だと感じています。

 

そんな中でも今シーズンで2件発生してしまった肉離れですが、振り返るとこれも予防可能なものでした。

 

2件のハムストリング肉離れ

2件それぞれ、プレシーズンと前期終了後の中断期間に発生しました。

 

それぞれ、

 

  • 合宿での上り坂のスプリントトレーニング(Ⅰ度損)
  • 長期OFF後すぐに行った紅白戦中のスプリント(Ⅱ度損傷)

 

で発生したものです。

 

  • 合宿でのトレーニング負荷の急な増加
  • 長期間OFF後の急なトレーニング開始

 

が原因であろうと考えています。

 

急なトレーニング開始は、大きな意味では急なトレーニング負荷の増大に含むことができると思うので、原因はどちらも近いものがあります。

 

2件めに関しては、10日ほどのOFF後のトレーニング開始2日目でしたが、その選手は諸事象で1日目のトレーニングに参加していませんでした。

1日目に参加していたら発生しなかった、とは言い切れませんが、大きな要因であることは確かです。

 

今タイミングでその負荷をかける必要があるのか?

を、慎重に、計画的に行う必要性をより感じることができたということを生かしていかねければなりません。

 

#57 主観的トレーニング強度はコーチと選手で一致しない? - Matsu Sports Training

 

TOPチームとBチームでの差

また、今年の課題の1つに、TOPチームとは対照的にBチームでハムストリングの肉離れが好発してしまったということがあります。

 

僕がTOPチームほど関われなかった、という点で責任を感じていますが、いったいこの差はなんだったのか、というところを来シーズンまでに分析しなければと思っています。

 

まとめ

ハムストリングの肉離れに関して、様々な要因が関係するもので、これをやったから必ず予防できる、といったものではないです。

しかしチームスタッフがコントロールできることとして、「トレーニング負荷」があることは間違いないです。

 

特にチームスポーツであれば、チーム全体の負荷設定だけでなく、個々人へ目を向けなければいけません。

 

来シーズン以降の反省として繰り返さない対策が必要だなと感じるとともに、他チームでも同じようなシチュエーションはあるはずなので注意してみてください。