単純な筋力がそのままスポーツパフォーマンスに直結するとは限りません。
また、筋力の与える影響度合いも競技によって異なり、同い球技でも、アメリカンフットボールやラグビーのような競技とサッカーやバスケットボールを比較した時は、前者の方がより筋力が大きな要因となることが予想されます。
だからと言って筋力が必要ないか、と言われれば。。。
といった話は様々な場所でされているのでここではこれ以上触れるのは避けておきます。
今回のテーマは、単純に
「懸垂をしようよ、特にサッカー選手」
です。
懸垂
懸垂は、主に広背筋の筋力向上を目的に行われます。
広背筋は、骨盤から腕まで繋がっている筋です。
背中をそらしたり。腕を後方に引く時に働く筋ですが、この広背筋は多くのスポーツで重要な役割を担っています。
#12 広背筋を働かせたい背中のエクササイズは、肩甲骨に注目することも大切だけれどそれだけでなく。 - Matsu Training Blog
ランニング・スプリントやボディコンタクトでの姿勢保持、キックや投球でパワーを生み出すetc...あげるときりがありませんが、筋力の強化やアクティベーションの優先度が高い筋の一つと言えます。
懸垂ができない
懸垂が数回しかできない選手は大学サッカーレベルでも、あるいはプロでもいます。
できたとしても、体を前方に曲げてしまうようなフォームだったり、身体がバーから離れてしまうようなフォームだったりと、もったいないなあと感じることが多々あります。
また、しばしばどんなトレーニングをしたら良いか聞かれることがあるのですが、その際に現在どんなことをやっているか聞き返すと、ベンチプレスは高確率で含まれているものの懸垂が含まれていることはほぼないです(ラットプルダウンならいる、でも少ない)。
ここで言いたいのは、懸垂ができること自体がいい悪いということではなく(懸垂の技術的要素も少なからずあるはずなので)、それができない程度の背中の筋力であること、そうであるならばおそらくPushとLowのバランスは崩れているであろうこと、身体の前面と後面での出力のバランスも偏っているであろうこと、大きな力を出すのために背中の筋力の貢献度を十分に高められないであろうこと etc... が問題かなと思います。
少し乱暴な言い方になってしまいますが、背中の使い方が〜と言っている選手は、まず懸垂やってみなよ、まずは1回しかできなくてもいいから、と思っています。
(なお、ベントオーバーロウでもいいだろ、とか、懸垂にこだわる必要ないだろ、等の反論は趣旨がずれるので控えてもらえると助かります。。。)
シンプルに
シンプルに考えることが必要だなと、最近感じています。
いろんなトレーニング方法があって、種目があって、目移り気移りすることもあると思いますが、いい選手が何をやっているか、何が必要かをシンプルに考えていくと優先順位はシンプルになっていくのかなと思います。
背中の感覚がわからない、まだやっていない等々いろんな人がいると思いますが、
「シンプルに懸垂、まずは目標5回、その次は10回、その次は〜」
は結構大事じゃないかな、と。
まとめ
懸垂ができたから強くなれる、うまくなれるわけではないですが、できないということはそこに伸び代がある可能性が高いわけで、なおかつそれが広背筋をはじめとする背中の筋力であるならば取り組まない手はない、と個人的には考えています。
本当に懸垂できない人が多いのでこの記事を書きました。
背中が大事とわかっていても、実行率でベンチプレスに負けてしまう懸垂を、ぜひみんなやっていきましょう。
ちなみに懸垂の解説はこの動画はすごくわかりやすいです↓
動画は一般的なフォームですが、胸をはらずにまっすぐ上がったり、ビハインドネックでやったり、片側に寄せてみたり、とバリエーションはあるので、目的に合わせて選択できるといいかなと思います。