Matsu Training Room

体育系大学卒のPT学生。スポーツやトレーニング、身体について書いていきたいと思います。

#11「ブラジル体操」をウォーミングアップとして行う際に考えることは?

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ブラジル体操。

 

サッカーに関わる人なら誰でも一度はやったことがあるのではないでしょうか?

しかし、どんな目的で行っているのか、その動きが適切なのかという点は見過ごされて、練習前・試合前の儀式として行われていることも多いです。

 

ということで、今回はブラジル体操について考えてみます。

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#随時更新 おすすめ書籍(学生トレーナー・指導者・選手・医療系学生向け)

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この記事では、トレーナー・選手・PT学生などの方にお勧めできる書籍を随時更新しながら載せていきたいと思います。

 

新しい知識・考え方を得る方法として、人に会う・話を聞く、インターネットで検索する、SNSを活用する、論文を読むなど様々な方法がありますが、「本を読む」ことは自ら学んでいくために避けられないと思います。

 

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#10 サッカー選手の傷害予防プログラム「FIFA11+」の効果はどれくらい?

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FIFA11+を知っているでしょうか?

 

サッカー選手を対象にした傷害予防プログラムです。

せっかく一つの形としてまとめられているのに、いまいち知名度が低い気がするので簡単に紹介してみます。

 

 

FIFA11+

FIFA11+は、サッカー選手の傷害予防を目的に作成されたエクササイズプログラムです。

もともとはFIFA11という形でしたが、改良され今の11+になったようです。

 

そんなFIFA11+は、Part1, Part2, Part3の3パートで構成されています。

  • Part1:ランニングエクササイズ(6種目・8分)
  • Part2:筋力・プライオメトリクス・バランス(6種目・10分)
  • Part3:ランニングエクササイズ(3種目・2分) 

という内訳で、トータル15種目を約20分で行うことができるようになっています。

 

また、Part2の「筋力・プライオメトリクス・バランス」はレベル別に3段階用意されていて、段階に合わせて選択できるようになっています。

 

具体的なエクササイズは、JFAのHPでPDFを配布しているので確認することができます。

JFA HP FIFA11+

 

youtubeには、動画形式で投稿されているので、映像で見たい人はどうぞ。

(以下の動画はデモンストレーションががいまいちですが、流れはわかりやすいと思うので貼っておきます。。。)

www.youtube.com

 

どれくらい効果がある?

このFIFA11+ですが、

「傷害発生を60%ほどに減少させることができる」

とするシステマティックレビューがあります。

プログラム自体は簡単なもので、誰でもできることを考えると効果的なのかなとは思います。

 

60%という数値に関してどうとらえるかはそれぞれだと思いますが、

「筋力トレーニングを行うことで傷害発生を1/3以下に減少させることができる」

といった別の研究がある上で考えると、数値としては何とも言えない気がします。

 

しかし、

  • グランドで行えること。
  • 用具を必要としないこと。
  • どの年代(小学校・中学校でも)でも行えること。
  • 運動の強度が低いためいつでも行えること。

などを考慮すると、ウォーミングアップとして行うことで効果的に活用できるのではないかなと思います。

 

デメリットとしては 

  • このままだと運動強度が低すぎてパフォーマンス向上に繋がるかは微妙で、傷害予防の効果しか期待できないかもしれない。
  • 惰性で行う可能性が高い。

なんてことが考えられるんじゃないかなとは思います。

 

とはいっても、FIFA11+の一番の良い点は、複数の予防エクササイズがまとめられ体系化されていることだと思います。

 

それぞれのエクササイズは基本的なものでありますが、それがFIFA11+として一つの形になっていることで、指導者やトレーナーは、これをベースに様々な工夫ができるのではないでしょうか。

 

これらのエクササイズを行うことが目的ではないので、これを基準にして設定やエクササイズの種類を変更することは何の問題もないでしょうし、工夫次第では、技術戦術トレーニングと合わせて行うこともできそうです。

 

指導者、トレーナーの工夫次第ですね。

 

まとめ

今回はFIFA11∔に関してでした。

 

「練習前のアップは、グランドを2周走ってからストレッチ」

なんてチームは日本中にいくらでもあると思います。

まずはJFAも公開してくれているFIFA11+をやってみて、それから各々の色を付けくわえていく、なんてのもいいんじゃないでしょうか。

 

なんにせよ、「傷害予防」に取り組むことはアスリートとして必須条件であると思いますし、「怪我をしない選手はいい選手」とも言われたりしますので、FIFA11+でなくとも、何らかの効果的な傷害予防プログラムはやるべきでしょう。

 

 

参考

Effect of specific exercise-based football injury prevention programmes on the overall injury rate in football: a systematic review and meta-analys.

 

The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.

どちらも全文無料でダウンロードできます。

#9 ヒップヒンジはあくまでトレーニングのための動作だ。

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ヒップヒンジには、股関節を蝶番(ヒンジ)のように動かす動作です。

詳しくは、この記事この記事をみてみてください。

 

過去に「ヒップヒンジは重要だ」と書きました。

これらの記事は閲覧数の多い記事であり、興味を持つ人が多いのかなと感じています。

 

しかしこれは、

「ヒップヒンジを競技中に行えばパフォーマンスが向上する」という意味ではありません。

競技中に行うとむしろパフォーマンスは低下してしまう可能性があります。

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#8 ストレッチ・ショートニング・サイクル(伸長-短縮サイクル)とプライオメトリクストレーニング。

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人が運動する際、ほぼ全ての運動でストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC:Stretch shortening Cycle)という仕組みが働き、 この仕組みにより、人は効率よく大きな力を発揮することができます。

 

この仕組みを用いたトレーニング方法がプライオメトリクストレーニングで、ウェイトトレーニングでは向上させるのが難しい瞬間的な爆発的パワーを向上させるために行われます。

 

今回はこの二つを簡単にまとめました。

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#6 パフォーマンスの課題を可能な限り具体的な言葉で表現することの重要性。

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最近、筋力トレーニングに対する関心が高まってきています。

 

SNSが発達したことで、個人で商法発信する人が増えたこと、いわきFCなど独自性を持ったチームが一つの結果を示したことなど、様々な要因がありますが、一種の筋トレブームと言ってもいい状況です。

 

ウェイトトレーニングをはじめとするレジスタンストレーニングはによる筋力・パワーの向上は、あくまで競技パフォーマンスの前提条件とされ、それに取り組んだからといって競技に直結するわけではありません。

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#5 「腕」はどこから腕と考えるか。

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例えサッカー選手でも、下半身だけで競技を行っているわけではなく、上半身をどう使うか(筋力等も含め)はパフォーマンス向上を考えたうえで重要な要素です。

 

上半身、と考えた時に「腕」をイメージする人は多いと思います。

 

ではその「腕」はどこからが腕なのでしょうか?

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#4 様々な運動の体験とその感覚がスポーツパフォーマンスの前提条件になる。

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スポーツの世界で生きてきた人は、サッカーは~、野球は~、テニスは~、といったようにスポーツから人の運動を考えてしまいがちです。

 

そうなると、例えば

「サッカーは上半身を使わないから〜」

と言われた時に、

「いやサッカーは上半身めっちゃ使うから。」

といった反論に繋がってしまいます。

 

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#3 サッカーのピリオダイゼーションを現場で活用する【前ブログより改定:2017年6月時点】

最近「サッカーのピリオダイゼーション」に関して興味が高まりつつあるように感じます。

この理論に関しては、前のブログでまとめました。

 

自分で言うのもなんですが、結構よくまとめた記事だと思っているので、こちらにも引っ張ってこようかと思い今回記事にしました。

 

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#2 アスリートにレッグエクステンションマシーンは必要ない?

f:id:keidmatsu:20170625030101j:plain筋力の向上はスポーツパフォーマンスの向上に貢献するであろうことや、傷害予防につながることは研究レベル、現場レベルともに知られています。

 

しかし、ただ筋力を向上させればいいかといえばそうともいえず、例えばベンチプレスの挙上重量をひたすら追求していくことは、それ自体がサッカー選手のパフォーマンス向上に直結する可能性は低いであろうし、

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#1 素早い反応・運動は身体能力だけの問題ではない?

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「素早い反応」は選手・指導者ともに求めるものです。

 

反射神経がいい、俊敏性がある、読みがいい etc... といった表現はよく耳にします。

そして、その能力を向上させるために、テニスボールが落ちる前に素早く拾うトレーニングや、音に反応して瞬時に動きだすトレーニングを行っている場面を目にします。

 

しかしそれでパフォーマンスが向上するでしょうか?

「反応」がどんな仕組みで、どんな要因が関わっているか考えることが必要ではないでしょうか?

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